海外旅行で鮮やかなスリにあった話(中国編 前編)
僕は本来、用心深いタチだ。
日本でも、レストランで食事しているとき、離席する際にも必ず貴重品はテーブルにのこさないくらいだ(当たり前か。。。)
そんな讃美歌13番が似合うくらい慎重な僕でも、何度かスリにあったことはある。
(なんなら海外で宝石詐欺にもあったことがあるが、それはまた後日のネタにとっておきます。。。)
そのひとつが中国だ。中国雑技団並みの、鮮やかさでやられた。
中国でスリにあう少し前、僕はラオスにいた。
そこでホテルの前の石畳に座りながら、旅人同士でコーヒーを飲みながらカンボジアで買った1箱数十円の煙草をふかしつつ、会話しているときに、中国でスリにあった、と
いう男性がいた。そうなんだ、と僕が相槌を打つ瞬間、もう一人の別の男が、
「オレも、オレも」
といいだした。
どうやらこのフラメンコが似合いそうな細面の年齢不詳スペイン人と半年も夏季休暇をとったらしい(夏過ぎてるやん!)フランス人は、それぞれ違うタイミングで中国でスリにあったらしい。
僕ごときが、大変失礼極まりない話ではあるが、
大の男がスリにあうなんて、こいつら注意力散漫だな。。。
と思った。なんなら心の中でクスッと笑っていたかもしれない。
(↑ 自分は大丈夫、と思っているひとほど詐欺にあう典型例)
しばらくして、僕はその中国にいた。ラオスから陸路で国境を越え、たどりついた、中国の南寧という場所。
そのころにはもう3か月も旅をしていたということもあって、心に変な余裕もあった。
旅を始める前は、カンボジアって地雷が埋まっているんじゃ。。。
とか、言葉も通じない国々を、どうやって旅するんだ、とか、
いらぬ心配をしていたくらいなのに。
でも、だいたい事件に巻き込まれるときは、
そういう心のゆるみを、
つかれるものなんだ。
《続く》