人生見切り発車

永遠にみつからない自分探しの旅(仮)

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 123 タイ編 《ドルが使えない国》

 

 

 

タイのUBONというバスターミナルに

着いた。

さあ、どうしよう、と考える。

バスターミナルの職員らしき

おばさんに、地図はないか、と聞くと、

壁に貼ってある、とややそっけなく

言われてしまう。

 

ウロウロしていると、バイタクの

運ちゃんが、70バーツで連れていく

という。

歩いて行ってもいいけれど、まあいいか

と思い、ドルでもいいか、と聞くと、

困ったような笑みを浮かべて、

ノーノ―と断られる。

 

これには正直驚いた。

なにしろ、旅を始めてから

いままで渡り歩いてきた国は、

中国以外はドルがそのまま

使えたからだ。

 

食堂でも、使えないようだ。

うさん臭さ満載のおっちゃんが、

両替するよ、といってくれるが

レートが悪すぎて交換する気になれない。

 

とりあえず、腹が痛くなってきたので

トイレでも行くか、と

トイレに向かうと、5バーツと書いてある。

 

何!

 

トイレにも行けないだと。。。

 

 

バイタクが両替所に連れて行ってくれる、

というので、彼のバイクに乗った。

しかし、連れて行ってもらった

ショッピングセンターの両替所では

半端ないくらい人が並んでいて、

これは30分では、きかなそうだ。

 

バイタクは待ってくれるつもりらしく、

所在なげに人のよさそうな、でも

気の弱そうな顔をして入口のところ

につっ立っている。

 

手持ちの金がないので、もう帰って

いいよともいえなかったので、

使いたくはなかったが手持ちの

クレジットカードで手近の

ATMでおろした。

 

僕が、街の中心に連れて行ってくれ、

(英語でいうと、

Take me to the center of city)

と言った言葉をどう理解したのか、

バイタクに何もない広い公園で

おろされる。

 

街の中心。。。ほんとかよ?!

だが、もし仮に、

そう問いただしても、

そうだ!間違いない!

と言い返されても、反論ができないから

あきらめた。

 

まあ、いいや、とりあえず

現金を手に入れるためにいろいろ

つきあわせたから、チップをあげない

とな。。。そう思って財布を取り出すと、

100バーツ、といわれる。

 

もともとの言い値は70バーツだが、

手間賃込み、という意味だろう。

しかも、その100バーツという

いいかたが、

できたら100バーツをもらえると

嬉しいんだけど。。。

という感じだったので、悪い気はせず、

そのまま100バーツを渡すと、

嬉しそうに立ち去って行った。

 

ふと周りを見渡すと、屋台があり、

トウモロコシのような黄色い物体

を串刺しにして売っている。

 

いくらだ、と聞くと、5バーツ、

とくる。15円くらいか。。。

げきやす。

 

謎の黄色い物体を手に入れて、

公園のベンチで食べていると、

何故だかわからないが、無性に

楽しくなってくる。

 

いつもそうだ。

 

国境を超えると、テンションが上がる。

 

国境という人が隔てた敷地をまたぐ

だけで、人も、街も、建物も、

みんな一変するからだ。

 

そうして、僕のタイ旅は始まった。