人生見切り発車

永遠にみつからない自分探しの旅(仮)

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 122 タイ編 《陸路での国境越え》

 

 

ラオスからタイへの国境へと向かう

朝八時半のバスに乗り込むと、隣には

眼鏡をかけた若い女性が乗っていた。

英語の本を読んでいる様子の彼女は、

白人ではなく、黄色人種だった。

中国人だろうか。いやいや、アメリカ人

だって普通にありうるけど。。。

 

隣の女性に興味を持ちつつも、

僕は国境を越えられるかどうかが

心配だった。

タイの原則としては、入国時に

出国用の航空券を所持していることが

原則らしい。

 

昨日、ネットで確認したついでに

調べてみたが、日本人はカンボジア入国では

ビザが必要だが、アライバルビザでなんとか

なる。

ラオスはそもそも日本人にはビザは不要

だが、アライバルビザを発行していない

ため、ビザが必要なギリシャなどの国籍は、

ビザをどこかの街でとって戻ってくる

必要があるようだ。

 

ラオス国境では、土日は10,000キープを

払うこと、と貼り紙がしてあった。

やはり、僕は正しかったんだ。

貼り紙をしていないだけで、国境職員を

責め立てた、白人集団はやはり間違って

いたんだ、と、ひとり自己満足する。

 

↓ 参考記事

 

jinsei-mikiri-hassya.hatenablog.com

 

 

 

だがなぜか、今回は、

僕はパスポートにスタンプ

をおされるだけで、何も言われなかった

ので払うつもりだった10000キープを

財布に戻した。

 

いよいよ、タイのイミグレだ。

病院のような白を基調とした3階建ての

建物に、鳥をイメージしているのか

翼のような三角形の屋根が、両側に

張り出している。

 

ここで、運命が決まるな、、、

とおおげさめいたことを僕は考える。

たかが国境だろう、と思うかもしれないが、

ラオス国境で追い返されたギリシャ人を

見ていた僕は、楽に通過できるのかどうか、

だいぶ疑心暗鬼だった。

 

だめならだめで仕方ない、そうなったら

ラオスをさらに北上してビエンチャン

行ってビザを取ればいい、

そう思っていたが、いざイミグレを前に

すると、やっぱりどうしても通過したく

なる。

 

ビザの欄を空欄にしたまま差し出すと、

国境検査官に何か言われる。

だめなのか、香港発の航空券ならある

けど、、、と考えたが、

ただ、アライバルカードを記入しろ、

といわれただけだった。

 

荷物検査では、リュックサックの中身も

みず、検査機にもかけず、

なぜかボディチェックだけはされて、

あっけなさすぎるほど簡単に通れた。

 

そもそも、荷物のほとんどが入っている

バックパックは、まだバスに乗ったまま

で、既に国境を越えてタイ側で待っている

はずだ。

陸の国境というのは、島国のそれ

と違ってずいぶん適当なんだな。。。

 

まあ国境を全部フェンスでふさいでいる

わけでもあるまいし、密輸なんか

やろうと思えばいくらでもできるから

なのかもしれないが。。。

 

イミグレを無事通過し、先に国境を

通過していたバスに再び乗り込むと、

さっきまで英語の本を読んでいた隣の

女性が英語で、

日本人ですか、

と話しかけてきた。

 

僕がそうだけど、君は?と聞くと、

タイ人だという。

 

なるほど、タイ人か。英語の本を

読んでいる東南アジア人は、

この旅では初めて見た気がする。

 

彼女はラオスのパクセーのゴム農園

で働いているらしく、名刺を

見せてくれた。

 

僕が1人で旅をしていることを

知ると、驚いたことに彼女は、

私の電話番号を教えるから、

困ったことがあったら電話して

ください、と言ってくれる。

 

話し始めてまだ5分の見知らぬ

相手なのに。。。

 

タイ人はフレンドリーと聞いていた

僕は、うれしくなり、色々と雑談した。

 

僕が今日泊まるホテルを何も決めてない

し、どこにあるかもわからない、

というと、彼女は姉に聞いてみると、

携帯で電話をしそうになる。

 

いやいいんだ、自分で探すから、

と僕がいうと、そうそれならいいけど、

と彼女はちょっと不思議そうに

微笑んだ。

 

タイ語で、

こんにちわ、ありがとう、ハウマッチ。。。

はなんていうの、と聞いてみると、

驚くほどラオス語と似ている。

 

タイに入国したばかりなのに、

こんなに親切な人と出会えただけで、

何かタイの旅が楽しくなりそうな気が

して、僕はうれしくなった。

 

彼女は、なんでひとりで旅をするの、

と僕に聞いた。

僕は、この年齢で、この長期間、

一緒に旅ができる友達がいないからだ、

とこたえる。

でも、そういいながら、

本当は、なぜ、一人で旅をしているのか、

しつづけているのか、と僕は考える。

 

じゃあ、長期間仕事を休める友達が

いたとして、僕は一緒に旅に出ていた

だろうか。

あるいは、旅の途中で知り合った人と、

そのあとの旅をずっと一緒に続けたい

だろうか。

 

いずれにしろ、

きっと、僕はやはり、一人で旅を

することを、選んでいただろう。

 

では、なんでだろう。。。

なぜ、一人旅にこだわるのか。

 

ホントのところは、

自分自身でもわかっていないのでは

ないか、と僕は考えていた。。。