人生見切り発車

永遠にみつからない自分探しの旅(仮)

自分探しの旅で本当の自分を見つける

 

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オーストラリア ポートダグラスあたりの写真

「自分探しの旅」

よく聞くフレーズ。

 

かくいう僕も、似たようなことはしたし、今でもしている。。。ような気がする。

25歳の時に、僕は初めて飛行機に乗った。

搭乗後、不審者にしか見えないそぶりで、周囲の様子を伺いながら荷物を頭上に収納し、ようやく席に着いた僕は、栗色の髪をした、背の高い白人のフライトアテンダントに話しかけた。

「この飛行機は、ブリスベン行きですよね?」

「はい、そうですよ」

彼女は、そういって僕の不安を和らげるように、満面の笑みを見せてくれた。

 

いや、そもそも「違います、南スーダン行直行便です」とかいわれたらどうしていたことか。。。

今にしたら笑い話だが、当時は本気だった。何しろ、国際線どころか国内だって、飛行機に乗ったことはなかったし、おそらく人生で一番遠出をしたのは修学旅行の京都くらいだったはずだ。

 

当時(その飛行機に乗る前の話)、僕は大学卒業後、派遣社員として大手家電量販店の携帯電話(当時はスマホなんて言葉はなかった頃だ)で2年間働き、留学費用として、300万円を貯めた。

 

留学先は、オーストラリアで、ワーキングホリデーだった。

僕の計画というか目論見が正しかったか別として、(実際は帰国後就職活動で辛酸をなめることになるのだが)一応目的はあった。

当たり前といえば当たり前だが、語学を習得することだった。

 

当時の僕は、TOEICで確か650点くらいで、英検でいえば2級くらい。

就職氷河期といわれた時代のせいか、そもそも就職活動自体は甘い話ではなかったせいかはわからないが、語学を生かすような仕事は見つからず、それなら語学をもっと勉強しよう、という一見まともだが、実は現実逃避的な部分もあった決断を中途半端な就職活動のうえ、下したのだ。

それが、派遣社員で貯金→オーストラリアへとつながっていった。

 

そんなわけで、一応語学習得という目的はあったものの、

逆をいえばそれしかなかった。

そんなわけだから、当時の自分がうなずいてくれるかわからないが、

恐らく「自分探しの旅」という側面を少なからず、このオーストラリアという旅は

もっていたはずだ。

 

では、探していた自分は、オーストラリアでみつかったのか?

答えは「NO」だ。

 

でも僕は、オーストラリアに行ったことを後悔はしていない。

探していた自分はみつからなかったけれど、数えきれない思い出や、友人や、発見があったし、それらを通じて少なくとも「じぶんのかけら」は見つけることができた。

 

だから、これから「自分探しの旅」をするひと、もしくはしようかと悩んでいるひ

とたちに僕はいいたい。

 

貴方が探しに行く「本当の自分」は、きっとみつからないだろう。

そもそも「本当の自分」なんて、いつまでたっても、何歳年をかさねようとも、

そんな簡単に見つかるわけじゃないし、昨日の「本当の自分」が明日の「本当の自分」と同じとは限らない。

 

でも、それでも僕は、「自分探しの旅」をしようとするひとがいれば、ぜひ行ってほしいと思う。

自分探しの旅は、本当の自分なんて、どこにもいない、ということを理解する旅でもあるからだ。

でも、それでいい。

 

仮にあなたの旅が、期待外れな結果に陥ったとしても、

「先を恐れてやりたいけどできなかった」よりも、

「何もうまくいかなかったけど、とりあえずやってみた」

ほうが、その後の人生において大きな意味をもつと、僕は思う。

 

いずれにしろ、自分探しでもそうでなくても、旅はいいものだ。