人生見切り発車

永遠にみつからない自分探しの旅(仮)

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 99 カンボジア編《コンポンチャムのバイタク》

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メコン川にかかる1kmはあろうか

という橋が見える川沿いのベンチに

座り、読書をした。

 

旅を出発した時は、20冊くらいあった

本も、既に8冊になった。

そのうち6冊は沢木耕太郎

深夜特急

で、既に2回読んでいる。

 

本はあまりに重いので、読み終えた

ものは捨てているが、深夜特急だけ

は日本まで持ち帰ろうと思う。

バックパッカーのバイブル的

本です。読んでいない方は是非!)

 

しばらくそうしていると、

20歳くらいの青年が、

ハローと言って同席してくる。

 

青年曰く、あの巨大な橋は5年前に

日本とカンボジアで建設したもの

らしい。

 

橋ができる前は舟で渡っていたらしい。

橋一つと言えど、これだけ巨大で

あれば生活が激変した人もいるのかも

しれない。

 

やはり彼も貧しいらしく、聞いても

いないのにろくに学校もいって

いない、とぼやきだす。

 

日本のこと、カンボジアのことを

30分くらい話しただろうか、

青年はこの後どうする予定か、

と僕に聞いた。

 

いいレストランを知っている、

と勧めてくれたが、生憎腹は

減っていない。

いらない、とやんわり断ると、

オンナはどうだ、と聞いてくる。

 

レストランからオンナって、

飛躍がすごすぎないか?

 

白人、中国人、ベトナム人

なんでもそろっている、

カンボジア人なら5ドルだ、

と彼は明るい調子で言う。

 

僕は彼の言葉に正直がっかりした。

彼が最初に言っていたとおり、

ただ単に、彼は日本人と友人に

なりたいだけなのだ

と思っていたからだ。

 

試しに僕は聞いてみた。

日本人がそういうところに

行きたがることについて、

どう思うのだ、と。

 

その日暮らしに近いような

暮らしをしているバイタクに、

日本人はどうみえるのか。

嫌悪感はないのか。。。

そんな気持ちが知りたかった。

 

すると彼は、ブンブン

ソープランドのことをいうらしい)

はいいぞ、安いし、安全だ、と

笑顔でいう。

 

金になればなんでもいいのだろうか。

それとも、風俗がいやらしいと

思うのは、単なる日本人的な

ナイーブな考え方なのか。。。

 

よくよく考えてみれば、

オンナをいらないか、

と聞いてくる青年に、

オンナを買う男をどう思うか、

と聞いて、俺は大っ嫌いだ、

なんていうわけもない。

 

彼はあくまで日銭を稼ぎたいだけで、

善悪などどうでもいいのかもしれないし、

そもそも善悪を考える余裕など

ない暮らしなのかもしれない。

 

観光資源の少ないこの街では、

そうでもしないとバイタクも

厳しいのかもしれない。

 

最初からそういう話をされて

いたならまだよかったが、

30分も会話をして仲良くなった

と勝手に思っていた後だった

ので、正直僕は疲れをおぼえた。

 

僕は、ただ現地の人と日常的な話を

したかっただけだったのだ。

なんだか無性に日本に帰りたくなった。