人生見切り発車

永遠にみつからない自分探しの旅(仮)

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 79 カンボジア編《シェリムアップ バイタクと酒を飲む ➀》

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夜、ヤマトというホテルに行く。

リコという、昨夜一緒に飲んだ女の子が、

親切にも僕にガイドブックを置いて

いってくれたからだ。

 

だが、リコはどこかに出かけているのか、

いなかった。

代わりに、昨晩見かけた数人がフロント

近くにいて、中には、コンニチワ、

と声をかけてくれる人もいた。

 

コンニチワ、と返しながら、

その輪の中になかなか入っていけない

自分がいた。

 

大学生くらいだろう彼らが若すぎる

ということもあったし、なんとなく

日本にいたときのような引け目を

感じる。

 

25歳の時、オーストラリアでワーホリ

をしているときに、29歳の日本人で

同じくワーホリ中の男性と会ったが、

その時は、29歳でワーホリなんかして

いて大丈夫だろうか、と失礼ながら

感じたものだが、その僕もいまや

似たような年齢で、ワーホリどころか

無職放浪中だ。

 

結局、日本人大学生たちの輪の中に

入れず、自分のホテルに戻る。

 

フロントのソファーで本を読んでいると、

ホテルお抱えのバイタク

(彼らはいくつかのホテルに出入りして

いるらしいが、ホテルの従業員のようにも

みえる)

が、ビールを飲むか、とすすめてくる。

OK、飲む、というと、

One for me?(俺も一杯いいか?)

と返してくる。

 

なるほど、そういうことか、と思わず

笑ってしまいながら、ビールをおごって

あげた。

(ビールといっても100円くらい)

 

バイタク運転手

(厳密には彼はトゥクトゥクという

荷台付バイク)

の彼は、うまそうに喉を鳴らしながら

ビールを飲み、やがて

自分の人生について語りだした。

 

 

《次回へ続く》