人生見切り発車

永遠にみつからない自分探しの旅(仮)

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 38 ベトナム編《ダナン 潜入! 怪しすぎる雑居ビル》

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見切り発車 油断大敵という言葉の意味を身をもって体験するの巻
 
すきっ歯のバイタクに連れていかれた
のは、くすんだ白色の小汚いビルだった。
 
というか、ここが街のどこあたり
なのかもわからない。
 
看板にKaraoke、とネオンサインが
明滅している。
 
いかにも怪しい。。。
本当に大丈夫か、と思ったが
首に大きなホクロがある、
小太りの愛想のいい店員が
現れ、言われるがままに
階段を登り、狭い小部屋に入る。
 
なんの根拠もなかったが、
まあ、なんとかなるだろう、と
僕はタカをくくっていた。
 
しばらくすると、日本でいう
キャバクラ嬢のような黒いドレスの
格好をしたベトナム人女性が、
やってきて、何を飲むか聞いてくる。
 
ビールはいくらか、と聞くと
10000ドン(100円しないくらい)
というので安いな、と思いつつも
ビールを頼む。
 
ビール瓶とビールを持ってきた
先程のキャバ嬢は、僕の隣に座る。
 
ビールをすすりながら、
僕は考える。
 
 

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見切り発車 考えるの図 (画像はイメージです)
 
どういう店なのか、
さっぱりわからない。
 
ひょっとしたら、ヤバいとこなのか?
(いまさら感もあるが。。。)
 
5分くらいしたところで、
すきっ歯のバイタクを呼んでくれ、
と先ほどのキャバ嬢に頼む。
 
一応、なにかあったときのために
下で待ってもらっていたのだ。
 
もうビールも飲んだし、帰りたいと
僕がいうと、
バイタクが、
ノーノー、最低30分くらいはいないと、
このコ(キャバ嬢のこと)がお店に怒られる、
と言い、カラオケで歌でも歌って、
30分したら帰ればいい、とつけくわえる。
 
怪しさ満載だが、まあすきっ歯の
バイタクが連れてきた店だし、
彼が下でずっと待ってくれるなら、
大丈夫だろうと思い、チップを渡して、
僕が帰るまで1時間は下にいてくれ、
と頼むと、すきっ歯のバイタクは
笑顔でオーケーオーケーとうけおった。
 
仕方なくキャバ嬢と部屋に戻り、
ビールをのんで、ビートルズ
レットイットビーを歌った。
 
いったい、オレはこんなところで
何をしているんだか。。。と
自虐的に思いながら。
 
30分たったあと、帰るからバイタクを
呼んでくれ、というとキャバ嬢は
部屋を出ていった。
 
数分すると、さきほど店に着いた時に
僕を出迎えた小太りの男と、
見知らぬ若い男、そして
痩せた中年くらいの男の
3人が部屋に入ってきた。
 
嫌な予感がする。。。
バイタクの男はどうしたんだ、と聞くと
小太りの男は口元にだけ笑みを
浮かべていった。
 
もう帰った。
 

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一瞬かたまる見切り発車の図 (画像はイメージです)
 
そんな馬鹿な、チップも渡して待つように
依頼したのに。。。
そう、思いつつレシートを
受け取ると、そこに書かれた金額に
僕は目をみはる。
 
445 USD
 
445ドル、約5万円だ。
 
やられた、ぼったくりバーだ。