人生見切り発車

永遠にみつからない自分探しの旅(仮)

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 33 ベトナム編《ホイアン 南へバスで向かう》

 

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のどかなベトナムの地方

 

 

フエもだいたい見て回った気がするので、

南下することにした。

 

朝起きてフロントに聞くと、ホイアンという

ところまで4ドルで行くバスがあるらしい。

朝8時半に迎えに来てくれるという

ので、もう出発まで2時間なかったが、

乗ることにした。

 

ほぼ時間通りに来たバスに乗り込む。

乗客はほぼ白人で、ローカルはいない。

現地人は、現地人専用のバスに乗るの

だろうか。どこにそんなバスがあるのか、

見当もつかない。

そもそも4ドルでも、日本人感覚だと

だいぶ安いのだが。

 

僕は車窓から、東南アジア特有の雑多

な街並みを視線の奥にやりながら、

昨夜見た夢を思い出していた。

 

夢の中の父親はかなり、もうろく

していて、僕の頭上にある何かを取ろう

とするのだが、取れない。

僕が手を貸そうとすると、それを見て

いた母親がなぜか逆上して、狂ったように

怒り出した。

その姿を見て、僕は猛烈な自己嫌悪を

感じながら、申し訳なく思った。

こんな自分で、申し訳ない、と。

 

嫌な夢だった。

なんであんな夢をみたのか。。。

昨夜、ギャンブルなんかに、うつつを

ぬかしたせいかもしれない、とも思う。

 

バスで4時間ほど走ると、目の前が開けて

海岸線が見えてくる。

海は、日本を、僕に、思い出させる。

 

パームツリーが綺麗な海岸通りに、

ホテルが見えた。

ここがホイアンだろうか、と期待していると

しばらくしてバスが停車する。

 

Anyone gets off in Da Nang?

(ダナンで誰か降りるか?)

と車掌が叫んだが、乗客は皆首を横に振った。

 

僕は一瞬、

I do!(自分は降りるぞ!)

と立ち上がって叫ぼうかと思ったが、

皆首を振っているのを見て、立ち上がれない。

 

結局、ダナンでは降りずに、そのままバスに

残りながら、友人がいっていた話を思い出す。

 

ドイツ人、アメリカ人、日本人が乗船してる

船が沈没の、うきめにあう。その時、船長が

乗客に船を捨てて、海に飛び込ませようと

するとき、どんな言葉が効果的か、と。

 

アメリカ人には、

「まっさきに飛び込めば、君は

ヒーローになれる」

 

ドイツ人には、

「これは、ルールだから飛び込みなさい」

 

日本人には、

「ほらほら、みんなもう飛び込んでますよ」

 

なるほど、僕も日本人なのだなあ。。。

 

それからしばらくバスが走って、ようやく

ホイアンに着き、ここが最後のバスストップだ、

と言われてバスを降りた。

 

早速、バスを待ち構えていたバイタクに囲まれる。

この風景も慣れたものだが、女性の一人旅だと

恐怖を感じるかもしれない。

 

バイタク: Where are you going? (どこいくんだ)

僕   : I don't know

バイタク: How long are you going to stay?(何日滞在するんだ)

僕   : I don't know

 

僕のふるまいが冷たく感じるかもしれないが、

ベトナムのバイタクと1人1人会話してたら

それこそ日が暮れてしまう。

だが、そっけない僕にも、決して、決して

めげないのがベトナムのバイタクだ。

 

バイタク: I will take you to hotel (ホテル紹介するよ)

僕   :    No no...

僕はそういって歩き出すが、僕の素っ気ない

態度にも全くめげない笑顔いっぱいの

バイタクがだんだん憎めなくなってくる。

 

一応値段を聞いてみると、10ドルだという

ので結局、言われるがままに

泊まることにした。

 

やっぱり重い荷物を持っているとどうしても

ホテル探しが億劫になってしまうな。。。