人生見切り発車

永遠にみつからない自分探しの旅(仮)

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 88 カンボジア編《シェリムアップ ベンメリア》

時間があまったので、

NGOとも付き合いがある、

英語はできないが片言の

日本語ならお任せ、という

謎のドライバーにNGOに続いて

15ドル追加でベンメリアに

連れてってもらう。

 

ベンメリアは古代遺跡といった

感じで、アンコールワットとも

雰囲気が違う。

シェリムアップは本当に遺跡が多い。

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遺跡というか廃墟。。。?

 

英語はできないが片言の日本語が

できる通訳兼ドライバーと、遺跡を歩く。

 

通訳:わたし、ことわざ知ってる。

僕 :へえーなになに?

通訳:「さるも、木から、落ちる」

僕 :そうそう、よく知ってるね!

通訳:ほかにもことわざ知ってる。

  「油断はよくない、注意する」

 

いや、それ、ことわざじゃなくて、

会話だから。。。

 

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 87 カンボジア編《シェリムアップ NGOに戻る》

少女にお礼をいって、とりあえず

NGOの工場に戻ることにした。

 

NGOに戻る途中、へーい!という

声がしたので振り返ると、

1台のバイタクが通り過ぎていく。

 

TAKUROシェリムアップで知り合った人)

の麦わら帽子が見える。どうやら

ヤマトというホテルで、できた友人と

どこかに行くようだ。

 

NGOの工場では、お昼休憩らしく、

みな輪になって昼ご飯を食べている。

小さな川魚4匹くらいを、8人で

食べていた。

 

 

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ごはんだけはたくさんあるんですよ、

とケイスケさんがいう。

米だけはたくさんあるんですけど、

栄養がないから、みんなけっこう

体が弱くて体調不良になりやすい

んですよ、と。

 

少し食べてみますか、と

ケイスケさんが好意でいってくれたが、

この小さい小魚をみんなでわけあって

食べているのを自分の興味半分で

口にするのは、さすがにはばかられて、

失礼にならないように気をつかいながら

丁重にお断りした。

 

見学を終えると、ベンメリアという

遺跡が近くにあるからいったらどうか、

とケイスケさんがすすめてくれる。

 

追加で15ドル払えば今日ここまで

連れてきてくれたドライバー兼通訳

さんが連れてってくれるらしい。

 

15ドルは安くはなかったが、

せっかくだから行くことにした。

 

《続く》

 

↓ 認定NPO法人かものはしプロジェクト公式HP(ご参考まで)

子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト (kamonohashi-project.net)

 

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 86 カンボジア編《シェリムアップ 少女の家②》

 

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工場で働く少女の家 訪問の巻②

 

工場でえた給料で何が買いたいか、

と聞かれた少女は、

「食べ物!」

と笑顔でかえしたが、

ケイスケさんは

若い子はけっこう、みんな服を

買いたがるんですよ、と言った。

 

そこらへんは洋服のレベルの差は

あるにせよ、女の子はやはり女の子で、

日本とも変わらない感覚だ。

 

ケイスケさんは少女に質問した。

生活はどう?働いててハッピーかな?

 

少女がカンボジアの通訳を介して、

それにこたえる。

内戦やポルポト時代は、バナナ1本

もまともに食べれなかった、

だから今はずいぶん暮らしがよくなった

のよ、だから幸せだ、と。

 

そうか、幸せか。。。

僕は少女の笑顔を見ながら、

幸せの定義について考えてしまう。

 

大変なときを知っているのだから、

とりあえずでも生活の糧ができている

今が幸せなのは、当然と言えば当然だ。

 

では、大変な時を知らない人間は、

幸せの定義をみつけるところから

始めないといけないのかもしれない。

 

何か少女に聞きたいことがありますか、

とケイスケさんが僕に聞いた。

僕は予想外のネタを振られた

芸人のように、うーん、と一瞬戸惑う。

 

例えが失礼かもしれないが、

急に火星に連れていかれて、

火星に関して何か質問はないか、

と聞かれているようなもので、

聞きたいことや疑問は山ほどあるはず

なのに、とっさにでてこない。

 

とにかく、生活のレベルが違いすぎる。

子供も大人も、何代続けて着ているのか、

と思うようなボロをまとっているし、

家の壁や天井はブリキでできている

のか穴だらけだ。

僕は失礼にならないかな、と心配しつつも

思いきって、質問した。

 

「天井に穴が開いているけれど、

雨が降っても大丈夫なのかな?」

雨季にスコールなど降った日には、

想像を絶する事態になるんではないか。。。

 

僕の質問が、つぼに、はまったのか、

皆が声をあげて笑い出す。

少女が笑いをこらえながらいう。

雨が降ったら、この鉄桶を置くのよ。

そういってコントで天井から落ちて

きそうな鉄タライのようなものを

僕に見せる。

 

すごいな、そんなので

スコール対策なの?!

 

僕は自分の質問が笑いをとれたことに

安心し、一緒になって笑った。

 

 

↓ 認定NPO法人かものはしプロジェクト公式HP(ご参考まで)

子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト (kamonohashi-project.net)

 

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 85 カンボジア編《シェリムアップ 少女の家➀》

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工場で働く少女の家に訪問するの巻

 

かものはしプロジェクトNGOの工場を

訪問した後、ケイスケさんにここで

働く少女の家に行ってみますか、と

誘われたので、ついていくことにした。

 

国道らしい大通りからわき道にそれ、

舗装されていない赤土のでこぼこ道を

30分くらい車で走らせたところに、

目的の少女の家があった。

 

建物(。。。というか小屋に近い)は

ふたつあって、両方とも高床式だが、

片方はオレンジ色の塗装もしている

家と呼べそうなつくりだったが、

もう片方は屋根はボロボロのブリキ

板でところどころに穴が開いている。

両親はブリキ屋根のほうに住んでいる

らしい。

 

なぜ一緒に住まないのか聞いてみたが、

英語がカタコトのカンボジア

(一応?)通訳を介して話すので、あまり

要領をえない。

どうやら床が高すぎるので老人には

厳しいとか、それ以外にもなにやら

こみいった家庭の事情があるらしい。

 

文化の違いで家族に対する考え方も

独特なのかもしれない。

僕よりよっぽど現地事情に詳しい

ケイスケさんでも、けっこう理解

できないことも多いという。

 

ちなみに、ケイスケさんから聞いた

ことには、カンボジア人は仲間意識

が強いのだが、プライバシー意識が

ほとんどなくて困ってしまうことも

あるらしい。

例えば自分の知らない間に自分の

家に誰か入って、モノや冷蔵庫を

物色されることも日常茶飯事だが、

彼らは感覚的に、それが悪いこと

だとは思っていないらしい。

 

なるほど、それが彼らの文化なら

頭ごなしに怒るのも大人げない

だろうが、団体行動が苦手な

世捨て人みたいな僕には、

ちょっと厳しいだろうなあ。。

 

自宅を案内してくれた少女に

たいして僕が、給料を何に使うの、

と聞いてみたら、

食べ物!

と彼女は笑いながら言う。

 

シンプルだが、貧しいなあ。。。

と率直に思う。

 

 

食べ物を残したらだめだ、

世の中には食べれない子供が

いっぱいいるのだから。。。

 

子供の頃は親にそういわれるたびに、

そんなの日本に住んでいる自分には

関係がない、と思っていた。

 

だが、それを他人事と決めつけない

人が実際に行動を起こしているから、

こういう「かものはしプロジェクト」

のようなNGOができて、助かっている

子供たちが大勢いる。

 

↓ 認定NPO法人かものはしプロジェクト公式HP(ご参考まで)

子どもが売られない世界をつくる | 認定NPO法人かものはしプロジェクト (kamonohashi-project.net)

 

《続く》

 

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 84 カンボジア編《シェリムアップ カモノハシプロジェクト訪問④ NGOの採算性》

 

 

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当時のSDカードが破損して泣いてます。。。

 

ケイスケさんの話を聞き終えた僕は、

ここで働いている女性たちに目を向けた。

 

女性たちに暗い顔はなく、皆おしゃべりを

したりしながら、楽しそうに仕事を

している。

それはそれでいいことなのだが、

と僕は思う。

 

僕も中国でいろいろな工場を見てきた

けれど、ここはあまり生産性が高いように

は見えないのが正直なところだった。

 

まあ、かくいう僕もなんかしらの知識

があるわけでもなく、100~1000

人の工場と比較してしまうこと自体が

野暮ではあったが。。。

 

いずれにしろ、まだまだ手探りの状態

なのだろう。

工場で生産管理をしていたような人間が

いるといいのでは、となんとなく

僕がいうと、

ケイスケさんは、

これから大きくなっていくには

必要ですね、と素直にうなずく。

 

このケイスケという人物は、

奢りも、やってやっているんだ、

というようなそぶりも態度も

まるでない。

それに、見学に来ただけで

何も事情を知らない僕がこうしたほうが

いいんじゃないか、といった言葉にも、

何も知らないくせに、こっちの苦労も

しらないくせに、といった様子も

まったくみせない。

 

まだ二十代前半だろうが、

びっくりするくらい器が大きい

人物だ。

 

この若さですごいことだと思うが、

あるいは年齢など関係ないのかも

しれない。

 

人生経験が、生きてきた年数が、

人を賢くするわけではないのだ。

 

ケイスケさんは言った。

結局金儲け主義じゃないか、と

かものはしプロジェクトを嫌う

NGOも多いんですよ、と。

 

どこかさみしそうに笑うケイスケさんに、

僕は、こう返した。

金儲けだって、いいじゃないか。

実際利益を出さなければ、何もできや

しない。

結果的に、自立を促す活動になれば

いいんだから。。。

 

僕の言葉に、ケイスケさんは、

そうですね、そう思います、

と謙虚にいい、達観したような、

でもどこか暖かみのある

視線を働く女性たちに向けていた。

 

 

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 83 カンボジア編《シェリムアップ カモノハシプロジェクト訪問③ NGOの運営》

 

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NGO 運営について

 

ケイスケさんは、ここでの

カンボジアのNGO工場)

目的は、自立してもらうことだ、

といった。

 

ここでいわゆる職業訓練として

経験を積んでくれれば、

そのままここで働いてもらうこと

ができる。

ここがつぶれても、最終的には

手に職をつけてもらいたいのだ、

と彼はいい、そして言葉を紡ぐように

さらに続けた。

 

アンコールワットで売っている土産

ものは、観光客はみなカンボジア

だと思って買っていくが、

実際はタイ産やベトナム産などが

多く(70%くらいらしい)組織で

生産しているから太刀打ちができない。

だから、デザインとか品質とかで、

競争力を高めていかなくてはいけない。

 

ここにいる女性は平均20才、70%が

小卒で、高校1年中退が最高学歴だ。

田んぼをもっていても、大きさが狭く、

とても食べていけない家庭の女性など

がここで働いている。

 

将来的には自立できた工場、ひとことで

いえば、損益分岐点をゼロにすること

だが、まだまだ難しく、日本での

ジョイントベンチャーの利益を流して

なんとかやっていけているところなのだ。

 

給料は、1日1ドル支払っている、と

いうケイスケさんに、それで足りるの

だろうか、と率直に聞いてみると、

生活の足しにはなる、とケイスケさんは

こたえた。

 

カンボジアラオスなどでは

1日1ドルしか稼げない人が多い、と

は聞いていたが、実際にそうなのかも

しれないな、と僕は思う。

 

バイタクは客さえつけば1日10ドル

以上は稼げるのかもしれないが、

何十万もするバイク資金を返すことを

考えると、1日千円くらいじゃ

ほんとに気が遠くなる話だ。。。

 

《続く》

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 82 カンボジア編《シェリムアップ カモノハシプロジェクト訪問② NGO到着》

ようやくNGOについて、ケイスケさんと

再会する。

 

20畳くらいの建物と、10畳くらいの

平屋の建物があり、狭い方は何に

使っているのか、自転車やバイクが

置いてあるだけだ。

それとも、建物に入れておかないと

盗まれるのだろうか。

 

建物の中に入ると、18歳くらいの

女性が6人ほど、ミシンをうっている。

 

他には7人くらいの女性が、紫色の

葉をたばねて何かやっている。

 

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僕らの存在に気付くと、彼女らの何人か

は手を休めて立ち上がり、クメール語

手をあわせて丁寧に挨拶をしてくれた。

 

ミシンではポーチなどを作っていて、

葉はヤシの葉を染めたものをあんで、

小物を作っているらしい。

 

従業員は25人くらいで、トレーナー3人、

スタッフ4人でやっているらしい。

 

かものはしというNGO

NPO?知識ゼロで違いがわからない。。。)

は、かれこれ事業を4年やっているが、

以前にやっていた場所では村長との

確執があり、半年前にここに移って

きたのだという。

 

日本の東急ハンズにも卸しているが、

品質のことでかなり細かく言われ、

そのことを彼女らに理解してもらうことが

とても難しいのだという。

 

日本の東急ハンズではなく、ケイスケが

厳しすぎるのだと勘違いされてしまう

ことすらあるらしい。

 

僕も前に勤めていた機械系商社で、

中国製シュレッダーを日本の大手販社に

卸していたことがあるから、その気持ちは

よく理解できた。

 

日本の企業、それも大手になればなるほど

品質に対する要求は厳しく、重箱の隅を

つついているのではないか、と勘繰りたくなる

レベルで、日本人の僕ですらそれくらい

いいじゃないか、と思ったものだ。

 

品質に求められるレベルが厳しすぎると、

それに対応するのは、並の企業では

難しい。特に、品質に対する概念が

まるで違う国が絡んでくると、

余計に大変だ。

 

僕の場合、購入側の日本企業

(つまり僕の会社の顧客)はQC

(クオリティーコントロール)部門が

品質管理をしていたもので、

それだけ品質に厳しさを求めるなら、

どれだけ買ってくれるんですか、

といいたかったものだが、

そこは営業や調達部門の問題で、

QC部門には関係がないこと

だったため、余計にややこしかったものだ。

 

 

《続く》