人生見切り発車

永遠にみつからない自分探しの旅(仮)

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 55 ベトナム編《ホーチンミン到着》

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Oh My Sweet Jesus !!!

 

ホーチンミンに到着した。

バイクの数が異常に多い。

多いというか、

これはもはや

渦といっていい。

 

バイクの地平線が見えそうな勢いだ。

 

ハノイでも、世の中ではこんなにバイクが

多い土地があったんだ、と思ったが、

ところがどっこいそんなレベルではない。

冗談じゃなく、道路の信号待ちで1000台

くらい信号が変わるのを待っている感じだ。

道路どころか、歩道までバイクでいっぱいだ。

 

ここがCenter of City (町の中心地)か、

と昨夜レストランで一緒だった女子大生

に聞くと、

ノーノ―ここはただのバス停よ、

と返事が来た。

 

なにぃ?!

 

と一瞬思ったが

よくよく考えたら、サイゴンベトナム

一番の都会だ。

 

僕が女子大生にした質問は、

東京で道歩く人に、

「街の中心地に行きたいんだけど」

と聞いたようなものだったのかもしれない。

 

仕方なく、バスのインフォメーション

でマップを買う。

川沿いにホテルが並んでいるとおりがある。

ここがきっとCenterなのだ、と思う。

(そもそもCenter がなんぞやという感じだが)

 

カンボジアに着いたらガイドブックを買おうと

心に決める。

(そもそも日本から持って来いよ!と

自分にツッコミをいれてみた)

 

結局そこから30分以上歩いて、安宿をみつけた。

1泊10ドル、千円くらいだ。

 

ようやく息をついた僕は、カジノに行こう、と

思う。これだけ都会なのだから、どこかに

あるはずだ。

 

数日前に15万円くらい負けかかったのも、

ついでにいうならその金を持ったまま

ぼったくりバーに突撃してしまったのも、

きれいさっぱり忘れて、まるで学習していない。

 

メダカの学校の、

一番の劣等生でも、

もう少し学習能力はあるだろう。

 

だが、自分自身に言い訳をするのならば

(とかく中毒者は自分への言い訳が

上手なものだ。だがそれは、往々にして

他人が聞くと全く、ばかげたものなのだが)

毎日毎日、ひたすら歩き回っていた

せいで、足首がねん挫したかのように

痛かった。

 

何しろ、男一匹?一人旅である。

足が痛いからとベッドで横になっていても、

テレビもなければ(あってもわからない)

読書も毎日読みすぎて飽きてきているし、

映画も観れるわけじゃない。

 

早い話が、時間を持て余してしまうのだ。

 

これがサラリーマン時代であれば、

忙しい日常を終えての週末で、

一日中ゴロゴロしていても苦痛ではない

のだが、何しろ自慢じゃないが毎日が

休日のクマのプーさんである。

 

永遠に続くような1日の時間を、

どう費やすか、という問題に、

毎日ぶちあたっているといっていい。

 

考えてみれば贅沢な悩みだが、

人間、その環境に身を投じてみないと、

自分がどう感じるのかはわからないもの

なのだ。

 

《いつものとおり続きます。。。》

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 54 ベトナム編《ホーチンミン行きのバスでの出来事》

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見切り発車 トイレの概念について考えるの巻

予約通り朝6時にホテルに迎えが来て、
いわれるがままに白いワゴン車に乗る。

 

バスが来ると思っていたのに、まさか
これでサイゴンまでいくつもりだろうか。

窓の外には星が見える。
朝6時といっても日本では5時だ。
オリオン座を見つけ、ベトナムでも
オリオン座が見えるのだ、
と当たり前の事実を、感慨深く眺めた。


しばらくしてバスに乗り換えた。
最初のワゴンはバスに人を集めるため
だったらしい。

1時間ぐらい乗っていると、レストランの
ようなところで停車した。

そういえば夕食付きと言われていたこと
に気づく。我ながら適当すぎる。。。


レストランの座った席の隣に二人の女性がいた。
英語を話せるらしく、どこに向かっている
か聞くと、ホーチミンシティ、と返ってくる。

よかった、このバスはサイゴン、つまり
ホーチミン行きなのだと確認できて、
僕は安堵した。
どこかで間違ったバスに乗ってしまったり
していたら目も当てられない。


彼女はクイニョン出身の大学生で、
ホーチミンにある大学に通っているらしい。

煮卵、煮チキン、野菜炒めなどがテーブルに
のり、皆皿を回したり、よそいあったり
親切だった。

再びバスに乗り、深夜のある時、バスが停まった。
トイレ休憩かと思い外に出たが、トイレらしき
建物は見当たらない。
みんな、立ちションをしている。

運転手が急に尿意をおぼえてやむをえず
停車したのかなと思いバスに戻った。
しばらくすると、女性達もバスに戻ってくる。

えっ。。。

そ、それって。。。

いやいや、さすがにそれは。。。

3時間後、再びバスが停車する。
明け方で、外は明るくなってきていた。
バスのドアを出ても、やはりトイレはない。

別に立ちションに抵抗がない僕が
用をすませていると、
それほど遠くない距離で、
ベトナム人のおばちゃんが野グソをしていた。

なるほど。。。

バスがトイレ休憩に停まったから
といってそこにトイレ施設があると考えるのは、
文明社会に毒された、

先入観だったんだな。。。

さすがベトナム。。。そうつぶやいて
カルチャーショックをおぼえながら
僕はバスに戻った。。。

 

 

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 53 ベトナム編《クイニョン 海》

 

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let it be...

 

 

 

16:30

今は海の前にあるさびれたベンチに

座り、本を読み、そして日記を書いている。

 

波はおだやかだが、さざ波の音はゆるぎなく

僕に何かを語りかけている。

 

そして僕は、自分自身の声に耳をすます。

 

一人旅は、自分との対話だ。

 

一人で過ごす時間。有り余るほどの時間。。。

 

僕は何がしたい、どこに行きたい?

日本に帰りたい?

旅を続けたい?

 

薄い緑がかった、泥を含んだような、

でもどこかあたたかい海に、

僕はそっと耳をかたむける。

 

自分の心に、決着をつけることが

旅の終わりなんだと思う。

 

だが、今はまだ、決着のつけかたが

わからずにいる。

 

金が少なければ、金の終わりが旅の終わり

になるだろうが、しばらくは持つ程度の

資金はあるからそういうわけにも

いかなそうだ。

 

There will be answer, let it be...

 

ビートルズの歌のサビを、心の中で

つぶやく。

 

波の音は穏やかで力強く、ゆるぎない。

それは、確固たる意志をもっている。

意志をもたないものの、無限の力を

もっている。

 

There will be answer, let it be...

 

そうだろうか、自信はないけれど、

そうあってほしい。

 

いつか日記を読み返し、あの頃は

色々と悩んでいたんだな、と

笑える日が、くるといい。

 

There will be answer, let it be...

 

 

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 52 ベトナム編《クイニョン のんびりバイタク》

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玄関開けたら2分で線路

 

 

 

 

ツインタワーの視察?を終え、ホテルに

向い歩いていると、僕の手首くらいの太さの

ごつい鉄の棒が、民家の前に平行に並んでいる

ところがあった。

 

もしや。。。

 

と思い、地図を見てみると、やはり。。。

鉄道の線路のようだ。

 

どれくらいの頻度で列車が運行するのか

わからないが、玄関開けたら2分でご飯

どころか、

玄関あけたら1mで線路?!

。。。いいのか?

酔っぱらいのお父さんでも抱えていたら、

常に死と隣り合わせじゃないだろうか。。。

 

さすがにホテルから2時間もかけて

歩いてきた道のりをまた歩くのは

うんざりだったので、道で話しかけてきた

バイタクに地図を見せ、OK?

と聞くと、

OK、OK

というのでバイタクに乗ることにした。

 

ところが、途中で僕の歩いてきた方向から

それた。近道なのか、一方通行なのか、

それとも詐欺なのか。。。

(さすがにそんなガッツは残っていない)

 

途中から雨まで降ってくる。やばい。。。

バイタクの背中を軽くたたき、方向は

こっちだ、と教えてやるが、

OK、OK

と繰り返すだけで

本当にOKな気が1mmもしない。

 

さすがにまずい予感がとまらなかったので、

いったんバイクを停めてもらい、

もう一度地図を見せる。

OK、OK

と彼はさも納得した様子で、再び

バイクは走り出す。

 

海岸沿いの大通りにあるホテルだから、

間違いようもないはずなのに、

ちっとも海すら見えてこない。。。

 

雨が強くなり、不意にバイクが停まって

軒下にバイタクの運ちゃんが座る。

そして、彼は、

まあ、お前も座れよ

といった雰囲気で僕に微笑みかける。

どんだけのんびりしてるんだ。。。

 

確かに、急いでホテルに帰ったところで

別に用事があるわけでもない。

 

長い人生、何をそんなに急いでいるんだ、

とでもいいたげなバイタクだ。

 

しばらくして、雨がやや小雨になった。

バイタクは立ち上がり、自分だけ

カッパを身に着ける。

 

まさかの後部座席の

お客様ほったらかし主義。。。

 

ずるいなあ。。。と僕は後部座席で苦笑した。

 

 

 

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 51 ベトナム編《やさしいまち クイニョン》

 

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見切り発車 やさしいまち くいにょん で なごむの巻

 

雨でぬかるんだクイニョンの街を歩く。

 

バイタクは今までのベトナムの街と

比べると、だいぶ少ない。

ダナンより田舎のせいかもしれない。

 

ヘイ、と若いバイタクに声をかけられ、

ノーと即答すると、他のバイタク友達

に、声をかけてきたバイタクは笑われていた。

 

仲のいいバイタク同士らしく、

なかなか微笑ましい光景だった。

 

ここはかなりの地方らしく、道路も舗装

されていないところが多い。

まるでカウボーイとガンマンがでてきそうな

昔のアメリカ映画の荒野みたいなところだ。

 

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家。。。なのか。。。?

 

背広にニット帽をかぶり、短パンに

サンダルというへんてこな格好をしている

若者とすれ違った。

 

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パリコレに向かう少年


服であればなんでもいいのか、あるいは

実はこれが最新ファッションで、パリコレに

出ようとしているか、どっちかに違いない。

 

15,000ドン(100円くらい)で手に入れた

マップに乗っている、ツインタワーという

名所らしきところに行くことにする。

 

だが、地図の見方もよくわからず、

路地裏をひとり徘徊した。

 

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集合住宅。。。なのか。。。?

 

そこらへんに歩いている住民に、

地図を見せて、ツインタワーはどっちだ、

と聞くと、英語は誰もさっぱり話せないよう

だったが、皆、あっちだこっちだと

親切に教えてくれる。

 

言葉も通じない見知らぬ他人の僕に対しても、

田舎だからだろうか、皆親切だった。

これは日本でも同じかもしれない。

 

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色だけはカラフル。。。なのか。。。?

住民の皆様のご教示をもとに歩いていると、

いつのまにか大通りに出て、奥には

ツインタワーらしきものが見えた。

 

ツインタワーに近づき、遠めに眺めてみる。

レンガのようなものを積み上げて作って

いるのだろうか。。。

不意に、警察なのかセキュリティーなのか、

制服姿の男が近づいてくる。

まずいな、と思い、写真を撮ったら立ち去る

から、と言うと、

オーケーオーケーと言って、

制服姿の男は、門を開けてくれた。

 

一介の旅行者にすぎぬ僕に、この親切。

いまでいうなら神対応ってやつだな。。。

ありがたや、ありがたや。。。

 

レンガで積み上げられた二つの遺跡が

天に向かって伸びていて、中には祭壇の

ようなものがあった。

 

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なかなかのツインタワー

 

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ドラクエなら奥に宝箱がある。。。かも?

 

 

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他国の祭壇って常に想像の上をいく

 

遺跡の中に入り、見上げると、天井からは空が見える。

まるで、井戸の底から空を見上げた

ような不思議な感覚をおぼえた。

 

蛙が見ている光景は、こういう

感じなのだろうか。。。

 

 

 

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 50 ベトナム編《クイニョン 悩める友人を思う》

 

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見切り発車 数少ない友人を思うの巻


夕食を終え、先に寝るというアメリカ人の

おじさんが去った後も、僕はレストランに

残り、日記を書いていた。

 

台風でも近づいているのか、外は大雨の

らしく、管楽器のように屋根を叩く大粒の

雨音が店内に響いていた。

 

2時間ほど日記を書き、外に出ると

さっきの雨はウソのように

やんでいて、雲の隙間から星が見える

ほどだった。

 

ホテルに戻り、常設してあるゲスト用の

パソコンを開き、ネットをのぞく。

 

岡山の友達から、メールが来ていた。

 

僕がオーストラリアでワーキングホリデー

をしているときに語学学校で知り合い、

今回の旅の前には、なんと岡山から

東京までわざわざ見送りにきてくれた、

友情に熱い少し年下の女の子だ。

 

彼女は今、長期でカナダに行こうか

悩んでいるらしい。

 

僕も、この旅に出る前は相当悩んだし、

なんなら旅をしている真っ最中の

今でも悩みっぱなしだ。

 

やらないで悩むより、やってから悩めばいい

やらないで後悔するより、やって後悔した方がいい

 

テレビでも雑誌や広告でも、皆、口を揃えて

そういうが、それは本当だろうか。

 

結局、「やった」ことで成功した人間だけが

いえるセリフではないだろうか。

 

だが、物事は表裏一体で、当然ながら、

うまくいかないこともあるし、

「やる」道を選んだとして、

「やらなかった」道がいつまでも

そのままの状態でいてくれるとは限らない。

 

僕の例でいえば、仕事を辞めて旅をしているが、

帰国したら、もとのような仕事につけない

かもしれないし、下手したら一生正社員に

戻れないかもしれない。

 

例えば、脱サラをしてラーメン屋を始めて

うまくいかず、何千万も借金を背負った

人に対し、やらないで後悔したより

よかったんじゃない?とはいえないだろう。

 

だから、当事者は簡単には割り切れない。

 

後悔だけはするな、とも人はいうけれど、

それも、どこか無責任な気がする。

 

程度の差こそあれ、そもそも人間は後悔する

人間だし、後悔しない人など僕は会った

ことはない。

 

だから、僕が人様にいえるとしたら、せいぜい、

後悔するかもしれないけど、

自分の信じる道をすすんだらどうだろうか、

くらいなのかもしれない。

 

色々と考えた末、岡山の友達に

末尾にこう付け加えて返信した。

 

「決定がどうあれ、僕は君の味方だよ」

と。

 

(英語でいえば、かっこいいのに、

日本語でいうと、どこかクサイ)

 

送信した後、僕は再び考える。

 

ひょっとしたら、どの道を選ぶかは、

そんなに重要ではないのかもしれない、と。

 

どちらかの道を選んだあと、自分がどう

行動していくか、それが結局、

その道が正しかったかどうかを決定

づけるわけだからだ。

 

それが、結局、まわりまわって、

「後悔しないことが大事」という

言葉に、つながっていくのかもしれないな、

と思いながら、僕はパソコンを閉じた。

 

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 49 ベトナム編《クイニョン アメリカ人と夕食をとる》

 

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くいにょん

 

 

その日の夜は、ホテル探しを一緒にした

白人おじさんと夕食を一緒にとることにした。

 

おじさんは、ナプキン代の15円を使ってないの

だから払わない、と言い出すくらい

の倹約家ぶりだ。

居酒屋でおとうしをいらないという大学生
みたいだ。
一応社会人なんだし、それくらい払おうよ。。。
 
おじさんはホーチンミンと
ニィチェンに恋人がいるという。
二人ともナンパしたらしい。
 
ホーチンミンのコは金が目当てだが
ニィチェンのコはハートがある、
とおじさんはビール片手に力説する。
 
ハートねえ。。。
僕は内心シラケながらも適当に相槌をうった。
どうやらかなりの好色家らしい。
 
僕が日本では長期休暇は取れないことも
あり、仕事を辞めて旅行していることを
告げると、アメリカ人も一緒で、
MAXでも2週間程度が限界らしい。
 
旅を始める前は、
アメリカもヨーロッパも一緒だと思っていたが、
実際は下手したらサラリーマンが半年くらい
休んじゃうヨーロッパが特別でアメリカは
どちらかというとそういった意味では
日本に近いようだ。
 
 
女遊びの話を続けるおじさんの話を
半分うわの空で聞きながら、
女遊びをして、帰国して、その旅に
何が残るのだろう、と僕は考える。
 
それとも、僕が難しく考えすぎて
いるだけで、普通の人間は楽しければ
いい、ただそれだけの話なのかもしれない。
 
好色であることは悪いことではないし、
そもそも仕事もせずにふらふらしている僕が、
善悪を語る気もない。
 
旅の定義など、人それぞれだし、そうあるべきだ。
 
おじさんは新しい仕事を始めるために、
12月1日に帰国するらしい。
あと10日ちょっとだ。
 
人生にも終わりがあるように、
旅にも終わりがある。
 
僕はなぜ旅をしているのか、と最近よく考える
疑問が頭をよぎる。
 
それがわからないから、旅をしている、
 
それが、
本当に答えで、いいのだろうか。