人生見切り発車

永遠にみつからない自分探しの旅(仮)

過去の見切り発車 海外放浪 1人旅 109 ラオス編 《サバディー!!》

Dong Kong はここだ、といわれ、

何もないところで船を降ろされた。

 

近辺には民家が数軒あり、

遠くには神社と思しきものがある。

 

適当に歩いていると、売店なのか

民家なのか、よくわからない道が続く。

 

時折、すれ違う子供から

「サバディー」(こんにちわ)

と声をかけられ、僕も笑顔で、

サバディーと返した。

 

そういえばさっき、舟で一緒だった

日本人の若者が、ラオスの子供は

みんなサバディーと挨拶してくれる

から嬉しい、といっていた。

 

そういえばカンボジアでは、車や

舟にのっていて、遠くから

手をふってくれることはあっても、

道を歩いていて見知らぬ人に

挨拶をされることはなかった。

 

1人であてもなく旅していると、

この何気ない挨拶が、

以外にジンと心にしみいるものだ

ったりする。

 

さらに10分くらいあるくと、メコン川

辿り着いた。

ここがDong Kongか。。。

川沿いに高床式の住居と売店がちらほら

あるくらいは、本当に何もない。

 

宿泊できるところはあるんだろうか。。。?

 

白人の初老の男がいたので、ここが

Dong Kongか?と聞いてみると、

自分もついたばかりでさっぱりだ、

と彼はいう。

 

とりあえずホテルを探すか。。。と

歩き出そうとすると、

先ほどの初老の男性が、ボートに

のらないか、と聞いてくる。

 

なぜボート?と思ったが、

どうやら、Dong Kongは対岸という

ことが判明したようだ。

 

いわれるがままにボートにのりこむと、

若いラオス人が、初老の男性(と奥さん)

と僕に、ツアーに参加しないか、と

聞いてくる。

80,000 キップといわれ、10ドルか。。。

と僕がつぶやいていると、

南アフリカ出身らしい白人初老夫婦は、

「アフリカランドでいくらだ?」

と真面目な顔をして聞いていた。

 

両替商でもあるまいし、

そんなんわかるんかいな??

 

ボートでDong Kongに辿り着くと、

ホテルが7、8件あり、そのほかに

洗濯屋や旅行社があった。

 

 気持ち栄えているかな

くらいで、本当に何もない。

 

とりあえず適当なホテル(というか小屋)

に泊まることにした。

ここでは、宿を借りる、といったら

カギを渡されるだけで、

パスポートのチェックどころか

記帳すらしない。

宿で自転車を1ドルで借りるが、

こちらはカギすらない。

のどかな島というものは、こんなもの

なのだろうか。

 

ボロボロの自転車にまたがり、

島をこぎまわる。

 

本当に何もない島だ。

立派な角をした牛、高床式の家、

子供、たんぼ。

ときどきニワトリ、ヤシの実、

学校、そしてつきぬけるような

青い空。

 

どこもあまりに似すぎていて、

ここはさっき走った道ではないか、

と何度も考えてしまう。

 

サバディー!

サバディー!

とあちこちから声をかけられる。

 

 

のどかな風景

高床式の民家の窓から、

すれ違う道から、

茂みの中から。。。

 

どこから挨拶されているのか、

探してしまうことすらある。

 

サバディー!!

 

この無邪気で、素朴な挨拶が、

くすみがちな僕の心を、

どれだけ癒してくれたことだろう。

 

いつからか、僕の方から

サバディー!

と声をかけるようになる。

日本ではありえない光景だ。

サバディー!と笑顔で返される

ことに、

ヒトの暖かさを感じ、

僕は無上の喜びに浸っていた。

 

 

 

無邪気なこどもたち